マネジャーの役割

マネジャーの役割
・仕事の管理(与えられた目標の達成)
・人の管理(モチベーション・人間関係・チームワーク構築)
・仕事の改善
・部下の育成

マネジャーの役割というとき、3つだとか、4つだとか、7つだとか分類されることがありますが、最もシンプルに言うと「与えられた目標を達成すること」です。簡単ですね。組織は目標を達成するための存在ですから、これは当然といえば当然です。しかし、組織は継続することが前提となっています(ゴーイングコンサーン)。だとすると、一時的に目標を達成するだけではダメで、継続的に目標を達成しなければなりません。多くの組織は発展していくことを前提としています。

また、目標はマネジャーが直接達成するわけではなく、成員を通じて達成することになります。このとき、マネジャーは職場の力を最大化させるために、モチベーションや人間関係、チームワークに配慮する必要があります。人間関係はモチベーションに影響を与えることから(人間関係論)、良好な人間関係を構築する必要があるわけです。

こうして「仕事の目標達成(仕事の管理)」と「良き人間関係の構築(人の管理)」がマネジャーの大きな役割になります。

さて、目を未来に向けてみたいと思います。

目標を継続的に達成させ、組織を発展させるためには、部下が育たなければなりません。来期は組織目標の負荷がさらに増えるかもしれません。また、組織が拡大したとき、部下の下には更に後輩がつき、いつかマネジャーなるかもしれません。このようなところまで視野に入れると「部下育成」はマネジャーにとって大きな仕事です。将来の組織存続に密接に繋がるからです。

さらに、与えられた目標をただ達成するだけではなく、仕事を改善することによって生産性がアップします。今期より来期はもっと楽になり、大きな目標を達成することができる能力を得ることになります。トヨタのカイゼンは、この後回しにされがちな部分に徹底することにより、生産性をどんどん上げていくことができているわけです。

緊急ではありませんが、組織を継続的に維持発展させていくためには「部下の育成」と「仕事の改善」を重視しなければなりません。こうして、「現在・未来の軸」と「仕事・人の軸」から4つの役割が導かれることになります。

なお、サーベイの結果によると「仕事の管理」にかかわる項目はどの組織も高くでがちなのですが、人の管理、仕事の改善、部下育成は、低く出がちです。仕事の目標達成は喫緊の問題ですが、それ以外はおろそかにしてもただちに問題が出るものではないからでしょう。

この3つの分野に意識的に配慮することができれば、他社と比較した時、組織力において、差別化を図ることができるのです。