マネジメントの定義

マネジメントとは、組織・職場の目標を達成するために、経営資源を効率的・効果的に活用すること

まず「組織・職場の目標を達成する」とありますが、組織の三要件のひとつが組織目的であることから、マネジメントの目的も自ずと決まってきます。マネジメントは組織目的を実現するためのツールです。マネジメントは目的ではなく手段に過ぎません。

次に「経営資源を効率的・効果的に活用する」について。経営資源とは、ヒト・モノ・カネ・情報などを指します。これらをうまく活用し目標を達成していくわけです。このなかで、モノ・カネは有限ですが、ヒトは関わり方によっては、大きなプラスにもなりますし、ときにはゼロにもなります。下手をするとマイナスということもありえます。また、組織のメンバーの相乗効果などもあいまって、とてつもない力を出す場合がありますし、逆に力を殺しあってモチベーションの低下、ひいてはメンタルヘルス不調や重大なミス、離職、最悪裁判沙汰などを招く場合もあります。

そもそも、マネジメントの動詞形である、manageという言葉の語源に「人を巧みに扱う」という意味がありました。このようにマネジメントは、ヒトをいかに活かすかという側面が強く存在しているわけです。「人を通じて成果を出す」のです。マネジメントは日本語で「管理」と訳されますが、管理は「望ましい状態を保つように全体にわたって取り仕切ること(明鏡国語辞典)」とあり、どちらかというと現状維持のニュアンスがあります。

したがって、マネジメントは「管理」に加えて「活用」という概念が加わるべきです。

いかがでしょうか。「管理」の現状維持のニュアンスに引きずられて、これといった仕事もせずに、朝来て、ネットサーフィンして、夕方帰るといった管理職の方はいませんでしょうか。サーベイの結果からこのような現状が浮かび上がってくることが少なくないのです。