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【組織の三要件】共通の目的~ビジョン~

組織が掲げるビジョンとは、まるで見てきたかのように語れる未来の映像あるいはイメージのようなものです。理念を突き通した結果、このような未来になっている。なっていて欲しいという絵です。理念と異なりビジョンには、3年後、5年後、10年後、30年後と期限が付されることが多く、また目に見えるように表現すべきもので、それゆえ理念よりは具体的です。

ビジョンには、個人のビジョン、組織のビジョン、社会のビジョン…とどの範囲で設定するかという自由度がありますが、たいていは社会や国をイメージしその中で私達の組織はこうなっている――と考えることが多いようです。将来私達の事業が発展することにより、このような社会を実現していきたい。そのとき私達はこのような位置を占めていたい。こんなことをビジョンに描くわけです。

ビジョンは現実から乖離した荒唐無稽なものではなく、テクノロジー、政治・法律、マクロ経済、自然環境、世界情勢などの外部環境変化を要件としなければなりません。かといって、外部環境変化に対して受身であってはならず、自ら未来、ビジョンを創造していく心構えが必要です。現在持っている強みも考慮する必要があるでしょう。ビジョンはその実現もさることながら、ビジョンを発信することによって人心を引きつけることも重要な役割です。

弊社では「旧弊の精神論的なマネジメント、ムラ社会的組織が打破され合理的で科学的な経営がなされている組織。その組織では正の感情で満たされ、負の感情が昇華される組織。人間が尊重されている組織・・・」こんな組織が当たり前である社会をイメージしています。

現在ちょっとした兆しに過ぎなかったものが、大きな流れになり、甚大な影響を及ぼすことがあります。例えば人口の継続的減少は、わが国の歴史上初めてのことです。その時マクロ経済はどう変わっていくのか。組織はどうあるべきか。人々の働き方どうなるのか。様々な要素を検討していかなければなりません。

もしかすると、このトレンドはわが国の組織に甚大な不利益をもたらすかもしれません。しかし、どのような中でも私達は、皆が正の感情に満たされている組織をイメージしなければなりません。「そんなの無理だよ」といわれてもかまいません。今現在私達が賞賛すべき企業組織はたくさんあります。私達のビジョンの種はそこにあり、私達はそれらの企業への賞賛を惜しみません。

ビジョンは具体的であればあるほど良く、リーダーはこのビジョンに強いリアリティを感じていなければなりません。手を伸ばせば触れられるかのような。

たとえば、卑近な例で恐縮ですが、過去にビーフシチューを食べたことのある人が、ビーフシチューを作ろうとする際、頭の中に明確なイメージがなければなりません。ビーフシチューのイメージ(=ビジョン)なしにビーフシチューなど作れるわけがありません。

なお、東郷平八郎がイギリス留学時に食べたビーフシチューをが作ろうとして、シェフにイメージを伝達してつくらせたもの料理が肉じゃがだそうです。この場合イメージの伝達方法に問題があるのと、東郷平八郎が作成過程を見ることができなかったことに問題があるのでしょう。この話はリーダーシップ論に繋がっていきます。ちょっとしたところに組織論のヒントがあるものですね。

明確なイメージを持っていても軌道はずれていくのが普通です。だれも5年後を正確に予想できないからです。それでも今の時点でどのようなビジョンを持つのか、持ち続けていくつもりなのか。これを今持つことは人を束ねるためにも、人を引きつけるためにも有用なのです。