理念の翻訳 〜上から下への情報伝達〜

マネジャーの重要な役割のひとつに、「情報の伝達」があります。

経営層から発信される理念・ビジョン・戦略を、一般社員に共有してもらうためには、これらの抽象的な題目を自部署の言葉に翻訳しなければなりません。抽象的な題目だけでは、一般社員に響きにくいからです。マネジャーは「経営層が『・・・・』といっていた」と伝えるだけではなんら付加価値はありません。そうであれば、経営層からメールなり、総会なりで伝えれば済む話です。

与えられた目標に振り回されがちな現場の社員たちに、全体からの意味付けをしてあげる役がマネジャーです。仕事の指示を出すとき、仕事中、評価面談時、判断に迷う際、叱責時、ほめるとき、その組織が大切にする価値観とともに具体的な指示やヒントを与えてあげます。すると、いつしか皆がその価値観を共有するようになるはずです。行動とともに体得するのです。そのサポートをするのがマネジャーというわけです。

自分自身が納得していない、何のリアリティもない言葉で人の心は動かせませんので、マネジャーは自分自身にとっての経営理念・ビジョンを持たなければなりません。自分自身の言葉で語るのです。

ジャック・ウェルチのこの言葉は価値観の伝達を考える上で大変示唆に富んでいます。

4タイプの管理職と彼らへの対処法

良い業績を出し、会社の価値観に基づいて行動するマネジャーことあるごとに褒め称えて報酬を与える。

業績はあげられないが、会社の価値観をきちんと実行しているマネジャー社内のほかのポストに移動させる。別のチャンスを与える。

良い業績を上げるが、会社の価値観に従わないマネジャー彼らは通常、組織を破壊する。こういうやつらを長く会社に居座らせてしまうと、社員のやる気と信頼を損ねることが多い。クビにする。

仕事もできないし、会社の価値観にも従わないマネジャー即刻クビにする。

(ジャック・ウェルチ)